ITサービスデスクやサポートチームに日常的に寄せられている多様なサービス要求は、組織の運営において重要な役割を果たしています。サービス要求管理とは、ソフトウェアのインストールやパスワードのリセットといった、サービスの品質に直結するリクエストを効率的に処理し、解決するプロセスです。
この記事では、サービス要求の定義から、サービス要求管理の目的、必要性、および実施に際して直面する課題とそれを効率化するツールのメリットまでを紹介しています。適切なサービス要求管理を行うことで、顧客満足度の向上とサービス提供プロセスの効率化を実現しましょう。
サービス要求とは、従業員や顧客、ベンダーなどからIT部門に対して行う正式依頼のこと。たとえばアカウントの作成やパスワードのリセット、ハードウェアの貸与、コンテンツ制作、新しいソフトウェアのインストールなどがサービス要求に含まれます。
具体的には以下のようなものがあります。
サービス要求管理とは、従業員や顧客、ベンダーなどから入るサービスのリクエストについて、適切に受け付けて処理し、完了させるまでのプロセス管理を言います。管理の対象には、新アカウントの作成、ソフトウェアのインストール、アクセス権限の変更など、日常的なITサポート業務が含まれます。
サービス要求管理の目的は、従業員等からのリクエストを迅速・正確に処理することで、業務効率化へとつなげることです。企業側としては、サービスカタログ活用により標準化されたリクエストを管理し、ワークフローを自動化することもあります。リクエストの進捗状況を可視化するなど、ユーザーの満足度向上に向けた取り組みも行っています。
サービス要求とインシデントは、根本的に概念が異なります。サービス要求とは、一般的な企業が提供しているIT関連サービスへのリクエストのことです。たとえば、新しいアカウントの作成や、ソフトウェアのインストールなど、一般的なリクエストがサービス要求です。
一方でインシデントは、システム不具合やネットワーク障害などに対する支援リクエストのうち、特に業務への悪影響が大きく、早急な対応が必要なリクエストのことです。リクエストの性質に応じ、IT部門ではサービス要求とインシデントを区別して対応しています。
ユーザーの待ち時間は顧客満足度に直結します。サービス要求管理を適切におこなって、リクエストの進捗状況を可視化することは、とくに効果的です。
また、標準化されたプロセス等を導入することで、リクエストの対応時間が短縮し、IT部門の業務効率化にもつながります。業務効率化が進めば、IT業務のコスト削減にもつながります。ほかにも、サービス要求のデータ分析等からユーザーニーズを的確に把握することで、サービスの品質向上につなげることができます。
サービス要求管理は多岐にわたるリクエストを管理して実行、解決することを目的としています。小さい組織ではリクエスト数も少ないので全てのリクエストを管理しなくても対応することができます。しかし、組織が大きくなるほど発生頻度も増え、種類も増えていきます。もしサービス要求を管理しない場合、リクエストの実行、解決は難しくなり、効率も悪くなってしまいます。そのためサービス要求管理が必要になります。
サービス要求管理はサービスに対するリクエストを管理して実現するプロセスですが、以下のような課題もあります。
パスワード紛失によるリセット要求などサービス要求は頻繁に繰り返されるものが多いと言えます。1つのリクエストであれば手間はかかりませんが、リクエストが増えるほど担当者の業務が圧迫されるようになります。繰り返されるリクエスト対してはプロセスを整理して対応手順を決めナレッジとして共有することが重要です。
利用者の問い合わせは原因を理解していないことがほとんどです。たとえばメールが送れないという問合せの場合、サーバーに問題がある、パスワードを忘れてメールソフトが使えないという原因が考えられます。リクエスト数が増えるほど問い合わせ内容の分類と適切な割り振りはサービス提供者の負担となるのでサービス要求管理では問い合わせ内容分類と担当部門への割り振りをする必要があります。
複数の部門が連携してサービス要求に対応することがありますが、その場合、作業後に各部門での承認が必要となり、サービス要求がクローズするまでに多くの時間と手間がかかってしまいます。
一般にITサービスに関する問い合わせはサービスデスクでサービス要求管理を受け取り、内容を判断した後、インシデント管理や変更管理へ振り分けられます。サービス要求はサービス提供までの期日が定められているので、スピーディにサービス要求のプロセスを実現しながら顧客満足度向上を目指す必要があります。
サービス要求管理ツールを利用すれば要求からクローズまで一元管理が可能となるので、サービス要求管理が効率的にできるようになり、サービス担当者の負担削減も実現できます。
以下にサービス要求管理のワークフローの例をご紹介します。ツールを利用することで効率的なサービス要求管理が実現できます。
参照元:ServiceDesk Plus公式サイト(https://www.manageengine.jp/products/ServiceDesk_Plus/itil-service-request.html)
ITIL®(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスを計画・運用・改善するためのベストプラクティスを体系化したフレームワークです。ITサービスの品質向上や効率化を目的としており、業界標準として広く採用されています。ITILは柔軟性が高く、どの規模や業種の組織でも活用できます。単なるIT部門向けではなく、サービス停止時間を短縮し顧客満足度を高めるとともに、組織全体の競争力強化など、ビジネス全体への価値をもたらします。ITSMツールを導入することで、サービス要求の情報や履歴を一元管理し、迅速な対応や効率的なリクエスト処理が可能になります。積極的にITIL®を活用してみてはいかがでしょうか。
サービス要求管理は、従業員やユーザーなどからのITサービスに関するリクエストを処理する大事なプロセス。適切に管理することで、顧客満足度の向上や業務効率化、コスト削減、サービスの品質向上などにつながる可能性のある重要な業務です。
業務自体は煩雑ですが、ITSMツールを活用することで、リクエスト情報の一元管理や迅速な対応が可能。プロセスの最適化を目指し、ぜひツール導入を検討してみましょう。
下記で自社にあわせてカスタマイズできるおすすめのITSMツールを3つ紹介しています。顧客満足度の向上とサービス提供プロセスの効率化に向け、参考としてお役立てください。
2023年11月1日時点、「ITSM ツール」のGoogle検索で10ページ目までに表示されたITSMツール54つを調査。
54ツールの中で必須機能がある(インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理、資産管理)、カスタマイズが可能なツールを抽出し、「導入後のサポート重視」「コスト重視」「セキュリティ重視」の3ツールを選定。
引用元:ServiceDesk Plus公式サイト(https://www.manageengine.jp/products/ServiceDesk_Plus/)
ISO / IEC 27001ほか、 ISO/IEC 27701、ISO / IEC 27017、SO/IEC27018、ISO9001、ISO20000、SOC2/1など
国内にデータセンターがある
ノーコードで構築・カスタマイズでき、シンプルな管理画面で使いやすい。低価格からインシデント管理を始められる。
導入時、導入後も充実したサポートを受けられる。
アイペット損害保険株式会社、東京海上アシスタンス株式会社、PayPayカード株式会社、日揮ホールディングス株式会社、 国立大学法人静岡大学、レオス・キャピタルワークス株式会社
ゾーホージャパン株式会社
(本社:インド)
本社:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-6-1 みなとみらいセンタービル13F
引用元:Splunk公式サイト(https://www.splunk.com/ja_jp)
ISO / IEC 27001ほか FedRAMP、SOC2などの認証を受けている
SlackやMicrosoft Teamsを利用してビデオ会議をセットアップ、コラボレーションを促す機能がある。
モバイルアプリでも利用できる。
※日本企業の公表なし
Nextiva、ISS World、Canva、Infobip、Toast、Twitter
Atlassian(本社:オーストラリア)
日本:アトラシアン株式会社
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1 ランドマークタワー1407
引用元:4me®公式サイト(https://www.4me.com/)
公式サイトに記載なし
AI・ビッグデータ活用などのテクノロジーを実用レベルで実装。AIが解決法を自動提案してくれる。
機能拡張やオプションは不要。
※日本企業の公表なし
※公式サイトにSMAXの事例なし
MicroFocus
(本社:イギリス/アメリカ)
日本:マイクロフォーカスエンタープライズ株式会社
日本オフィス:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー19階
ISO / IEC 27001ほか、 ISO/IEC 27701、ISO / IEC 27017、SO/IEC27018、ISO9001、ISO20000、SOC2/1など
国内にデータセンターがある
ノーコードで構築・カスタマイズでき、シンプルな管理画面で使いやすい。低価格からインシデント管理を始められる。
導入時、導入後も充実したサポートを受けられる。
アイペット損害保険株式会社、東京海上アシスタンス株式会社、PayPayカード株式会社、日揮ホールディングス株式会社、 国立大学法人静岡大学、レオス・キャピタルワークス株式会社
※「ServiceDesk Plus」…クラウド版はPinkVERIFY™ 4、オンプレミス版はPinkVERIFY™ 3の認証を取得しています。
このサイトでは、「ITSM ツール」でGoogle検索、12月22日時点で上位100位までに公式サイトが表示された製品を紹介しています。そのうち、サービスデスク/ヘルプデスク(インシデント管理)をメインとしたITSMツールで、無料トライアルのできる3製品を紹介しています。
引用元:Re:lation公式サイト(https://ingage.jp/relation)
ISO27001取得
メール・LINE・電話など10種の窓口をまとめて管理。高いユーザビリティと視認性ダッシュボードで分析・レポート、見える化されることで業務改善につなげる。
大企業向けのRe:lation for Bizあり。
弁護士ドットコム株式会社、エムオーツーリスト株式会社、株式会社Birdman、日本通運株式会社、株式会社イングリウッド、株式会社Loco Partners
株式会社インゲージ
所在地:東京都新宿区西新宿3-9-7 フロンティア新宿タワー
引用元:My Redmine公式サイト(https://hosting.redmine.jp/)
要問合せ
プロジェクト管理・タスク管理のオープンソース「Redmine」のクラウドで利用できるサービス。
CSSとJavaScriptを埋め込んで画面をカスタマイズ。
チケット登録用メールアドレスにメールを送ることでRedmineにチケットを登録。
株式会社ネットワーク応用通信研究所、株式会社ノーリツ、株式会社イシダテック、丸紅ITソリューションズ株式会社、ハイウエア株式会社、アーティサン株式会社
ファーエンドテクノロジー株式会社
所在地:島根県松江市朝日町498番地 松江センタービル
引用元:Zendesk公式サイト(https://www.zendesk.co.jp/)
要問合せ
顧客が好むチャネルに対応
カスタマーサポートのパフォーマンスを可視化し、レポーティング機能で、担当者のサポート業務を効率化
既存のビジネスシステムともコーディングなしで簡単に統合、カスタマイズも自由自在。
東京電力エナジーパートナー株式会社、株式会社佐賀銀行、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社アダストリア、立命館大学、株式会社学研プロダクツサポート
株式会社インゲージ
所在地:東京都新宿区西新宿3-9-7 フロンティア新宿タワー
ISO27001取得
要問合せ
要問合せ
メール・LINE・電話など10種の窓口をまとめて管理。高いユーザビリティと視認性ダッシュボードで分析・レポート、見える化されることで業務改善につなげる。
大企業向けのRe:lation for Bizあり。
プロジェクト管理・タスク管理のオープンソース「Redmine」のクラウドで利用できるサービス。
CSSとJavaScriptを埋め込んで画面をカスタマイズ。
チケット登録用メールアドレスにメールを送ることでRedmineにチケットを登録。
顧客が好むチャネルに対応
カスタマーサポートのパフォーマンスを可視化し、レポーティング機能で、担当者のサポート業務を効率化
既存のビジネスシステムともコーディングなしで簡単に統合、カスタマイズも自由自在。
弁護士ドットコム株式会社、エムオーツーリスト株式会社、株式会社Birdman、日本通運株式会社、株式会社イングリウッド、株式会社Loco Partners
株式会社ネットワーク応用通信研究所、株式会社ノーリツ、株式会社イシダテック、丸紅ITソリューションズ株式会社、ハイウエア株式会社、アーティサン株式会社
東京電力エナジーパートナー株式会社、株式会社佐賀銀行、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社アダストリア、立命館大学、株式会社学研プロダクツサポート
株式会社インゲージ
所在地:東京都新宿区西新宿3-9-7 フロンティア新宿タワー
ファーエンドテクノロジー株式会社
所在地:島根県松江市朝日町498番地 松江センタービル
株式会社インゲージ
所在地:東京都新宿区西新宿3-9-7 フロンティア新宿タワー